コラム

2021年9月19日

装具 特にインソールの問題について


こんにちは!

今回は装具の闇についてです。

病気のことは書かないので、ご興味ない方はスルーしてください。

装具は医師の処方に基づいて義肢装具士が採型・採寸をおこなって作成します。

出来上がった装具を医師が確認して一旦全額支払った義肢装具会社からの領収書と医師の処方箋をつけて

健康保険や役所に提出して健康保険が適応されます。

(身体障害者手帳による補装具作成は先に医師の意見書と見積もりを役所に申請して許可がでれば作成します)

 

実際できあがった装具は医師のみが確認します。

以前に頸椎装具といって枕を作成したり、靴型装具といって普通の靴を2個作成したりと問題もありました。

そのため最近では靴型装具などは装着している写真を添付して提出することになりました。

 

装具自体のチェックがかなり甘く医師の処方箋さえあればほとんどの装具が認められています

 

義肢装具会社は日本中に無数にあります。数百人規模の会社は稀で多くは10人前後のほぼ個人でされている会社が多いです。

技術もバラバラではっきり言って上手でない義肢装具士も多く見てきました。

特にインソールは出来栄えの差が会社や担当の義肢装具士で非常に大きな装具です

病院、クリニックには概ね出入りしている義肢装具会社は決まっています。

通常1社、大きな病院なら2-3社です。

病院は個人情報も扱うため色々な業者さんが出入りすることは嫌がります。

多くの医師が所属している病院を担当する義肢装具会社の装具しか見ていないので出来栄えの差に気付いていないです。

私は大学病院に勤務しながら他の複数の病院、クリニックに非常勤勤務してきた関係で色々な義肢装具会社を見てきました。

はっきり言って作る価値のないインソールを何個も見てきました(小児整形外科の病院でも!)

ある程度は個人のコンセプトで形状の好みは分かれますが、まったく治療用装具になっていない物をいくつも見てきました。

 

あまり大きな声で言えませんが、インソールは10割負担で4万円を越えますが材料費も安く

製作時間もそれほど長い装具ではないため非常に利益率の高い装具です。

そのため多くの義肢装具会社がこぞって作成して全然ダメなものが蔓延しています

私のところにも聞いたことのない業者から営業もありました。

適当に作成して病院、クリニックに利益がでるようにしている業者さんもいると聞きます。

最悪です。

当院では装具会社は川村義肢さんと7th seedさんという2社です。

川村義肢さんは全国大手の会社で数百人規模ですべての装具に対応可能です。

7th seedさんはインソール、靴型装具専門の小さな会社で実際に患者さんの足を見た義肢装具士が

製造にも関わりますし技術力が高く、以前よりお付き合いしてもらっています。

川村義肢さんは真っ当な業者さんで技術力も悪くないですが、大手すぎて実際患者の足を見る人と製造はまったく別になります。

そのため患者を直接見る義肢装具士さんの能力次第の部分があります。

ちなみに当院に来てくれている川村義肢の義肢装具士さんは阪大病院からずっと仕事を一緒にしてくれている方で

私が川村義肢さんで数少ない認めている方です。

 

なかなか患者さん自身で作られた装具の出来がよいかどうかわからないとは思います

しかしそんなに安い装具ですし、治療に必要で作るので出来れば技術力のある装具屋さんで作成していただきたいです。

一部の営利目的のペラペラのインソールにペタペタ付け足しを張り付けているものを決して使ってほしくないです。

高齢者の足はまだしも、お子さんのインソールを作る際は特に出来栄えの差が激しいので装具の形状の

コンセプトをしっかりと説明できる業者さんで作成してもらってください。

 

出典:院長の個人的な意見のみ

 

 



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