2024年2月12日
こんにちは!
脳性麻痺のタイプの続きです。
前回までに痙直型、アテトーゼ型、低緊張型、失調型、混合型について書きました。
以前から痙直型が70%、アテトーゼ型が20%、残りがそれ以外と言われてきています。
私が日常診療していて最近の小さなお子さんを診るとそのような状況でないと感じます。
他の先生に聞いても同じ意見です。
以前は典型的な痙直型やアテトーゼ型の方が多くみられ、痙直型四肢麻痺、痙直型両麻痺の方が多かったです。
近年では痙直型のような筋肉の緊張が強いお子さんよりも低緊張なお子さんが多くなっています。
小さなときに特に低緊張で大きくなっても体幹を中心に低緊張なお子さんが多いです。
低緊張型というわけでなく、足首や手などは緊張が入って硬くなったりもします。
分類上は痙直型に分類されるとは思いますが、低緊張型の要素が多分に入っています。
近年の医療技術に向上により極端な低体重でも救命可能になったり、母の出産年齢の高齢化などが関連しているのではないかと思います。
以前では出生時の体重1000g以下では生まれたときに亡くなる赤ちゃんも多かったですが、最近で500g以下の
赤ちゃんでも救命可能な場合があります。
ただし、余り小さな赤ちゃんでは救命できても脳に障害を持つ例も多くみられます。
そのような状況で脳性麻痺のお子さんの状況も変化してきていると感じます。
以前のように痙直型、アテトーゼ型などきれいに分類できず、低緊張の要素が加わった混合型ともいえるタイプが増えていると感じます。
特に3歳未満のお子さんでは麻痺タイプがわからない場合が多いです。
低緊張なお子さんでは独歩が遅くなるなどの発達の遅れも以前より強くみられ、治療場面も変化してきています。
装具、リハビリテーションも以前と同じではだめで変えていかないとだめだと思います。
次に脳性麻痺の治療について書いていきます。