2022年7月10日
こんにちは!
足根骨癒合症の続きです。
足根骨癒合症は距骨・踵骨の間、踵骨骨・舟状骨の間、舟状骨第一楔状骨の間の3か所によく起こります。
診察で痛みの部位や腫れをよく観察してレントゲン検査である程度疑って検査しないと診断が難しいです。
距骨・踵骨の間の癒合症は足首の下に小さな硬い隆起ができることが多くて診察で疑えますが
他の部位の癒合では痛みの場所から疑うしかありません。
踵骨・舟状骨の癒合を認めるお子さんは扁平足が多いです。
舟状骨が土踏まずの形成に大事な骨で、その舟状骨の動きが生まれつき癒合により制限されているためです。
さらに片足が痛くても両足をレントゲン撮影して比較しないとわかりにくいことが多いです。
足首の捻挫がきっかけで痛みが続くことも多く、単純な怪我だと思って片足しか撮影しないと診断できない場合もあります。
レントゲンで疑った際は主にCTを撮影します。MRIの場合もありますがCTの方がわかりやすいです。
CTでは非常にわかりやすいです。
ただしCTはレントゲンに比べて放射線の量が多いため、放射線の影響を受けやすいお子さんに気軽にできる検査ではないです。
足根骨癒合症などの疾患を明確に疑った場合にする検査であって足が痛くて原因がわからないから行う検査ではないです。
足根骨癒合症自体はそれほど診断の難しい病気ではないですが、
・診たのことない医師が多い
・診察の際に足根骨癒合症を念頭に入れていない
ために診断が遅れることが多い疾患です。
足首の捻挫がきっかけで痛みが出始めることも多く、単なる捻挫の後遺症と診断されることも多いです。
レントゲンで異常ないと言われても痛みが続くため、半年以上、3,4件の病院を受診して診断されることも多かったです。
10歳前後のお子さんで足の痛みが続くときは足根骨癒合症も念頭に置く必要があります。
次は治療編です。