2023年4月22日
こんにちは!
思春期の特発性側弯症の続きです。
特発性は女の子に多いですが原因不明と前に書きました。
完全には解明されていませんが、現在では遺伝因子と環境因子が関与していると考えられ様々な研究がされています。
遺伝因子としてはLBX1、GPR126、PAX1、BNC2、SOX9という5つの遺伝子が発症に関連すると比較的確かな精度で報告されています。
原因候補の遺伝子は他にもあります。
日本の先生が精力的に調べて解明されています。素晴らしいですね!
側弯の進行にもMIR4300HGという遺伝子が関係すると報告されています。
ただしどのようなお子さんが遺伝因子をもっているかは外見や身体特徴ではわからないです。
このような報告は数多くの側弯症のあるお子さんと側弯症のないお子さんの全遺伝子を比較して、側弯症のあるお子さんにだけ多く見られる遺伝子が原因と同定されています。
将来的にはより簡単に遺伝子検査できるようになればあらかじめ側弯症の遺伝子検査をしらべて発症に関連する遺伝子をお持ちのお子さんは側弯検診を密にするということになるかもしれません。
癌になりやすい遺伝子を持っていることがあらかじめわかるようにしようとしているのと同じ感じです。
では側弯症をもっているお子さんが大人になってこどもを持つと遺伝するのでしょうか?
側弯症をもっているお子さんの兄弟・姉妹も側弯症になりやすいのでしょうか?
現状では不明です。
一部で姉妹や親が側弯があるとお子さんも側弯があるなど家族内発生している例もありますが、ごく一部です。
明確に遺伝するわけではありません。
特発性側弯症ではなく先天性側弯症は約10%程度は遺伝するといわれていますが、特発性側弯症は不明です。
ただし遺伝因子の関連も解明されていきているので、親や兄弟・姉妹に側弯があればお子さんや兄弟・姉妹も側弯のチェックを受けた方が良いと思います。
ある報告では両親、兄弟・姉妹に側弯症があると同じ家系で他の人に側弯症が見られる確率は約15%と奉公されています(1970年の報告なのでかなり古くて15%という数値は参考程度に)。
以上 特発性側弯症の原因 遺伝因子でした。