コラム

2021年12月5日

乳幼児の歩き方が気になる 内旋歩行について


こんにちは!

今回は歩き始めて1歳から3歳位までで1番相談の多い「歩き方が気になる」についてです。

一般的に1歳頃につかまり立ち1歳6か月までにひとり歩きができるようになります。

最近のお子さんは非常に発達も早く生後10か月でひとり歩きしているお子さんもいます。

早かろう良かろうではありませんが。

 

ひとり歩きが安定したころに歩き方が気になるという相談が増えます。

保健センターで行われる1歳6か月健診でもよく指摘されて受診されます。

ほとんどが歩くときに足のつま先が内にむく歩き方についてです。

赤ちゃんの頃はかなり程度が強く自分の左右の足同士がぶつかってこけたりします

 

まず赤ちゃん(乳幼児)の歩き方は足幅が広くて(がに股)でどすっ、どすっと歩きます。

肩も左右に大きく揺れます。これは体幹、下肢の筋力がまだ未熟だからです。

 

足の指先が内に向くのは大きくは「大腿骨過前捻」だからです。

大腿骨は大人でも股関節から膝にぬけて20-30度程度内向きに捻じれています(大腿骨前捻と言います)。

赤ちゃんはもともと大腿骨の捻じれが強いです。

上の図は大腿骨の内捻じれをお腹の中から大人まで縦に角度をしるした図です。

BIRTHが生まれた瞬間で50-60度程度内に捻じれています。大人より30度程度大腿骨が内に捻じれています。

2歳頃でも40度以上捻じれています

大腿骨が捻じれるためその先の膝や足自体が内に捻じれるため歩くときに足の指先が内向きになります。

内旋歩行、うちわ歩行と呼ばれています。

図のように年齢と共に徐々に捻じれが少なくなっていくので自然に大人と同じ歩き方になります。

通常3-5歳には気にならなくなります。

 

ではどうやって大腿骨が捻じれてるか確認するかについてですが、股関節の動きを確認します。

大人では股関節は内・外への捻じれはほぼ同じ角度です(内旋、外旋と言います)。

赤ちゃんは内捻じれ(内旋)が外捻じれ(外旋)よりもかなり大きくなっています

もちろん、診察では他の病気も考えて足全体の動きは確認します。

 

ただ内旋歩行はほとんどの方で自然に良くなっていくので心配しないでください。

稀に大きくなっても良くならずに困っている方もいます。

それについては次回に書きます。

 

 

 

 

 



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