2023年8月6日
こんにちは!
今回は手の指が曲がっているについて書きます。
曲がっている状態として斜めに曲がっている場合と屈曲していて伸びない場合の2つがあります。
Scientific Reports 2023から引用
今回は上の図が指が屈曲している状態で屈指症について書きます。
屈指症は主に小指、薬指の第2関節が曲がってる状態です。
生まれたときから見られるお子さんと成長と共に曲がっているお子さんがいます。
前回の斜指症は骨の変形でレントゲン検査で原因は一目瞭然でした。
屈指症は様々な原因で起こると言われています。完全には原因が解明されていない部分があります。
関節の構造や腱の異常がメインの原因と言われています。
関節の索状物の形、虫様筋という指の間にある筋肉の形の異常
筋肉が指を曲げる腱の強さ>指を伸ばす腱の強さ などが原因とされています。
機能的には指は曲がる分には異状ないため物がつかめないなどの障害はないです。
一方で指が伸ばせないので、手袋のはめにくさや洗顔の時に指がひっかかるなどが問題になります。
治療は装具も行いますが、基本は手術になります。
手術では筋肉や索状物の構造異状を正したりします。
屈指症の手術は非常に難しく、治療成績も残念ながら悪いことが多いです。
手術をしても一時的に指が伸びるようになってもまた曲がってくることが多いです。
お子さんの手の変形で治療が難しいランキング上位だと思います。
そのため、なるべく夜間の装具で指がより曲がらないように予防してどうしても屈指が強くなり
生活動作で困った場合に手術を考えると良いと思います。
斜指症は手術成績の良い疾患ですが、屈指症はかなり治療が難しい疾患です。
手術は子供の手外科というお子さんの手の手術を専門にされている数少ない先生にお願いするのが良いと思います。