2023年9月23日
こんにちは!
骨が弱くなる病気、骨形成不全症 III型の治療の続きです。
前回は薬、点滴による治療に書きました。
今回は手術について書きます。
骨形成不全症III型に限ったことではないですが、骨折では折れた部分が曲がってしまうと手術が必要となります。
骨形成不全症の軽症のI型では普通の骨折の手術が行われています。
一方でより骨の弱いIII型では普通のお子さんに行う手術とは別の手術が行われています。
通常の骨折の手術は折れて曲がった骨を金属で固定します。
Acumed社Hpより引用
通常は大人であればプレートやスクリューという金属を使って骨の形を元に戻して固定します。
お子さんの場合はプレートなどのサイズの問題や骨のできやすさもありワイヤーと呼ばれる
太めの針金で骨折部を固定する手術が一般的です。
ピンでとめるのでピンニング(pinning)と呼ばれています。
Children 2022より引用
上図はお子さんでよくみられる上腕骨顆上骨折という肘の骨折で、骨がずれてしまった場合に行うピンニングの手術です。
骨折が治るのは自分の再生能力によるものです。
骨折もずれがない場合はギプスで固定して骨折部を安定化させて骨が再生するのを待ちます。
骨折の手術は骨折している部分がずれて曲がってしまった場合にずれを治すために行います。
元に戻してもすぐにまたずれてくるため金属を使って固定します。
手術で骨がくっつくわけではなく、ずれを治して固定してギプスと同じように骨が再生するのを待ちます。
ギプスと異なるのはギプスは皮膚から固定するのに、手術では骨自体を固定するため固定力が強いです。
骨折は骨折部が安定するほどよく再生します。
骨形成不全症では骨が弱いため、骨折すると曲がってしまうことが非常に多いです。
そのためIII型のお子さんではよく手術が行われます。
長くなってきたので次に続きます。