コラム
2025年12月5日
VATER症候群 こちらも頭文字から作られた病名です
こんにちは！
今回も頭文字から作られた珍しい病気の紹介です。
ＶＡＴＥＲ症候群（ふぁーたーしょうこうぐん）
・Vertebral (椎体） 背骨の骨の異常
・Anal（肛門）の奇形
・Tracheoesophageal（気管と食道の異常）気管と食道の間に穴があいてつながっている
・Renal（腎臓）の奇形
・Radial（橈骨）前腕の骨の橈骨の奇形
これらの５徴候のうち３つ以上みられるお子さんをVATER症候群と診断します。
Cardiac defect （心臓の異常）とLimb abnormalities（四肢の異常）もあるお子さんはVACTERAL症候群（連合）とも呼ばれます。
原因は染色体や遺伝子異常が報告されていますが詳細には特定されていません。
頻度は１－４万人に１人と報告されている非常に稀な病気です。
多彩な疾患がみられるため生まれてすぐから小児科や小児外科による治療が必要となります。
比較的重度なお子さんも多くみられます。
心臓や気管の異常により重症度も異なり、成人する方も居られます。
整形外科では背骨の異常が高率に見られます。
J Med Genet. 2016より引用
上手のような先天的な背骨の骨の奇形と変形が見られます。
橈骨に関しては撓側列形成不全のような橈骨の欠損や母指の欠損などが見られます。
背骨の変形や腕の機能や全体的な運動の訓練で整形外科も受診されることが比較的多い疾患です。
全身的な問題もあり背骨の手術をすることはあまりないです。
腕の手術は撓側列形成不全と同様に指や前腕の骨の手術をすることがあります。
以上ＶＡＴＥＲ症候群でした。
