2021年6月3日
こんにちは!
今回は乳幼児のO脚(内反膝)についてです。
乳児の1歳半健診でよく指摘されます。
左がO脚、 右が真っすぐ
赤ちゃんから乳児は基本O脚です!
個人差がすごくあり、膝と膝の間に指が4,5本入るお子さんもいます。
上のイラストの様に赤ちゃんから2,3歳にかけて徐々にO脚はよくなります。
1歳半健診でO脚でもほとんどのお子さんは正常です(生理的O脚と言います)。
ただし下記のO脚になる病気があるため注意は必要です。
① ブラウント病(Blount病)
脛骨という骨の骨端線(成長する軟骨の部分)の異常です
レントゲンでだいたい分かります。
片脚だけO脚の場合はブラウント病の可能性が高くなり注意です。
② くる病
カルシウムが骨に運ばれる経路の異常です。原因は遺伝子など様々です。
9割程度はレントゲンで骨端線の形が異常で診断できます。
原則、両側のO脚です。
ただしレントゲンでなかなか診断できないくる病があります。
そのためO脚のお子さんはレントゲンを撮影してブラウント病やくる病の所見が
なくても半年、1年後にもう一度撮影して自然にO脚がよくなっていることを
確認した方が良いです。自然に良くなっていれば一安心です。
前にも書きましたが10年ほどかなりのお子さんの乳児健診を診ましたが
1年に1名ほどはブラウント病、くる病のお子さんがいました。
O脚の酷さは病気とは関係なく、生理的O脚でもかなりO脚の強いお子さんが多いです。
まとめるとほとんどの乳児のO脚は生理的なもので正常です。
ただし稀に病気のO脚があるので、良くなってくるか経過観察は必要です。
よく祖父母にO脚が酷いからおかしいと指摘されたとお母さんから聞きます。
O脚の強さはあまり関係なので過度に心配しないようにしてください。
ブラウント病、くる病の詳細は次回に書きます。