2022年10月2日
こんにちは!
今回は10歳過ぎのお子さんが急に股関節が痛くなる病気「大腿骨頭すべり症」についてです。
お子さんの整形外科の病気で緊急性のあるものは少ないですが、大腿骨頭すべり症は数少ない緊急性のある病気の1つです。
大腿骨頭すべり症は大腿骨頭(太ももの付け根)の骨端線(成長軟骨、成長線)のところですべってしまう病気です。
成長する軟骨部分での一種の骨折の様な状態です。
画面左の太ももの付け根の先端がすべっている状態、画面右は正常な大腿骨頭
大腿骨頭すべり症は10歳過ぎから15歳位までの男子によく起こります。
何故かぽっちゃり体形のお子さんに多いです。
原因不明ですが、体形が似ている・男子に多いなどホルモン影響説などが言われています。
野球をしているお子さんならぽっちゃり体形のお子さんはキャッチャーが多いためキャッチャーしているお子さんが
股関節痛いと言われて受診されると大腿骨頭すべり症かもといつも思ってしまっています。
大腿骨頭すべり症は急性型と慢性型があり、急性型は多くは転倒などが原因で急に歩けなくなるほどの激痛がでます。
慢性型は歩けるけど痛みが続いていてきっかけの怪我のないことが多いです。
大腿骨頭すべり症は診断がやや難しい病気です。
レントゲンで見落としが非常に多いです!
急性型は歩けないくらい激痛なのでレントゲンで異状なくてもおかしいと思われることが多いですが
慢性型は歩けているため異常なしと言われることも多いです。
次回、見落としが多い大腿骨頭すべり症の診断について書きます。