2024年8月25日
こんにちは!
骨に穴があく良性骨腫瘍、単純性骨嚢腫の続きです。
前回骨折がおこったり、痛みが生じた場合には治療として手術が必要と書きました。
手術はいくつかの方法があります。
1.嚢腫の骨の穴を小さく開けて内部を掻把(水だけでなく水を出す主要部分も削り出す)して人工の骨を充填する
J Orthop Surg Res.2019より引用
人工の骨は一部は自分の骨に入れ替わり、一部は内部に残ります。
2.骨に中空(穴の開いた)ネジを入れて内部の水を持続的に排出する
ネジを入れっぱなしにすることで骨から皮下組織に水が排出され続けていずれ腫瘍部分もなくなってしまいます。
以上のような手術がありますが、単純性骨嚢腫の手術では再発のリスクが非常に高いです。
再発に関していろいろな報告がありますが40-80%程度と言われています。
左:手術前 中央:手術後 右:手術後の再発
上図の様に一旦掻把して人工の骨を充填しても、腫瘍部分が少しでも残存していると徐々に再発して人工の骨も溶けて再度骨に穴が開きます。
中空のネジの手術でも、徐々に骨の穴が小さくなりますがネジの中空部分が詰まってしまったりして水の排出が上手くいかなくなり再発したりします。
再発の際は一般的に再度腫瘍部分を掻把して人工の骨を充填します。
単純性骨嚢腫では再発が多く、複数回の手術を行うことが多いです。
個人的な印象として1回の手術で済めばかなりラッキーです。
ただし、単純性骨嚢腫は良性の骨腫瘍で悪性化することはないので安心してください。
以上 単純性骨嚢腫でした。