2024年8月25日
こんにちは!
良性骨腫瘍の続きです。
今回は内軟骨腫です。
読んで字のごとく軟骨の腫瘍です。
骨の中の骨髄が軟骨(硝子軟骨)に置き換わる腫瘍です。
手足の指にできることが多いですが、四肢の骨・上腕骨や大腿骨などにも起こります。
レントゲンでは上図のように骨の内部が黒く抜けたように写ります。
レントゲンでは骨は白く、軟骨は黒く写るからです。
骨髄の部分で軟骨の腫瘍が大きくなるため骨皮質(骨の外側の硬い殻)がペラペラになって軽微なケガで骨折することがあります。
また内軟骨腫は成長期のお子さんに起こることが多く、骨の成長線(骨端線)のそばで起こります。
そのため成長障害が生じて骨が曲がってしまう場合があります。
内軟骨腫は多発する場合があり、その場合はOllier病(オリエール病)、血管腫を併発する場合はMaffucci(マフッチ)症候群と呼ばれます。
多発するOllier病では上肢、下肢の変形が生じることが多いです。
J Orthop Trans. 2020より引用
治療は通常の内軟骨腫は骨折が起こる場合は単純性骨嚢腫と同じ掻把(内部を掻き出す)+人工の骨を充填します。
Ollier病で変形がある場合は変形を矯正したり骨を伸ばしたりする治療が行われます。
通常の内軟骨腫は手術は一般的ですが、Ollier病では変形も強く手術はかなり難しいです。
複数回の手術が必要になることが多いです。
以上内軟骨腫でした。