2024年9月1日
こんにちは!
悪性の骨腫瘍、骨肉腫の続きです。
前回治療として化学療法と手術と説明し、化学療法について書きました。
今回は手術についてです。
手術は以前は切断術が主流でした。
確かに確実に腫瘍を取り除くことができて有効な手術です。
悪性腫瘍の手術は広範切除という切除が基本で、肉腫のある部分だけでなく周囲の正常な部分も含めて切除します。
少しでも腫瘍を取り残すと再発するため、通常よりも大きく正常な組織も切除します。
ただし手術後に義足が必要になり生活動作への支障が大きな手術でした。
近年手術技術の向上により切断ではなく患肢温存の手術が主流になっています。
確実に肉腫の細胞を切除し、さらに残った手足の関節の動きも確保する必要があります。
Oncology letters. 2017より引用
骨肉腫は膝周囲起こりやすく、広範切除すると関節自体も切除することが多いです。
大きな欠損が生じてしまうため手術では人工物で補填する人工関節がよく行われます。
成人の変形性膝関節症に使われる人工関節と比べて切除による関節部の欠損が多いため腫瘍用人工関節という専用の機械が使われます。
このような腫瘍用の人工関節も開発が進み、広範切除で関節機能が失われても人工物で補完できるようになっています。
ただし人工関節では耐久性の問題もあります。対象がお子さんが多く何十年と使うため人工物では入れ替えの手術が複数回必要になります。
近年では自分の骨を使う患肢温存手術も増えています。
一旦自分の骨を取り出して腫瘍切除してあとに液体窒素や薬液などで腫瘍を完全になくす処理した後で再度体に戻す手術もあります。
色々手術治療は改善して切断術の件数はかなり減っています。
ただし再発や腫瘍が神経や血管に接触している場合などは現在でも切断術が行われています。
以上骨肉腫についてでした。