2024年5月26日
こんにちは!
軟骨無形成症の続きです。
前回に低身長の治療として薬物治療と手術治療があると書きました。
今回は薬物治療について書きます。
1.成長ホルモン
もともとはお子さんで成長ホルモンの分泌が少ない低身長に対して保険適応がありました。
健康保険では一定以上平均よりも低身長で血液検査で成長ホルモンの量がすくない場合に保険が適応されます。
軟骨無形成症では成長ホルモンの分泌は基本的に少なくないですが、成長の伸びを促進する効果が報告されています。
ただし、成長ホルモン自体が出ていないお子さんに投与・補充ではないのでそれほど大きな成長の伸びを獲得できないという印象です。
今までは他に薬の治療がなかったため、少しでも骨が伸びる薬という位置づけだと個人的には感じていました。
成長ホルモン投与だけで、骨延長の手術をしなくて済むという印象はないです。
費用効果から海外でもすべての国で行われているわけではないです。
投与方法は1日1回の自己注射になります。
専用の注射キットがあり注射自体はそれほど難しくなく、針も非常に細い針で痛みも強くないです注射が嫌いなお子さん注射をする必要があります。
保険がなければ1年間で100万円以上の費用が発生します。
効果が不十分なため新しい薬の開発が長年期待されていました。
2.CNP類自体治療(ボソリチド、商品名ボックスゾゴ)
2022年に保険適応された新しい薬です。
大学病院に勤務していたので治験の段階からお話を聞いていましたが、成長ホルモンしかなかった薬物治療に大きな変革をもたらす薬と期待されています。
個別に次に書きます。
3.他の開発中の薬
名古屋大学の先生が以前よりメクロジンという従来からある乗り物酔いの薬が骨の成長を促進することを発見して治験を行っています。
まだ治験段階だと思いますが、従来のあまり副作用のない薬が骨の成長を良くするという点が非常に面白いです。
CNP類似体治療が保険適応される前は患者の方も非常に興味を持たれていました。
乗り物酔いの薬とCNP併用など今後の可能性はあるのではないかと思います。
次にCNP類似体治療 ボックスゾゴについて書きます。