コラム

2024年5月26日

骨系統疾患 軟骨無形成症 その5 関節弛緩


こんにちは!

軟骨無形成症の続きです。

 

次は関節弛緩について書きます。

軟骨無形成症のお子さんは全身的な関節弛緩が見られます。

上肢なら肘や手首の関節が柔らかいというより緩い状態

下肢なら膝や足首の関節が緩い状態です。

 

肘が反張する(逆ぞりする)ことが多く、手首はふにゃふにゃした状態が多いです。

そのため上肢の力も弱く、握力も通常よりは弱いです。

膝は反張だけでなく、左右にも緩くなります。

通常膝は前後にしか動かないですが、軟骨無形成症のお子さんでは内外側の靭帯がゆるくて、特にO脚(内反膝と言います)の変形がよく見られます。

足首も緩い状態です。膝でのO脚があるため足首も外側に倒れた状態で歩いているお子さんが多いです。

 

関節が緩いため、力が入りにくく筋力が弱いお子さんが多いです。

上肢なら重いものを持ちにくい、下肢なら走ったりが遅い傾向にあります。

 

また関節弛緩は成人になったときに変形性関節症になるリスクがあります。

膝関節が多く、股関節や足関節にも見られ、成人の3割ほどの方に見られ手術が行われていると報告されています。

特に膝関節はO脚があると体重が関節にまっすぐにかからないため変形性関節症になるリスクが高いです。

膝関節、股関節では人工関節に置換する手術が行われます。

The knee 2020よい引用

 

以上関節弛緩についてでした。

 

 



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