コラム

2024年5月19日

骨系統疾患 軟骨無形成症 その4 脊柱管狭窄症 手術


こんにちは!

軟骨無形成症の脊柱管狭窄症の続きです。

前回軟骨無形成症の方の脊柱管狭窄症は胸椎(背骨)と腰椎(腰骨)におきて、広範囲に狭窄が見られるのが特徴と書きました。

原因として背骨の骨の形の異常腰椎前弯(腰が前ぞり、反り腰)が強いことなどで広範囲の脊柱管狭窄が見られます。

通常の脊柱管狭窄症では薬などで症状が改善して手術しないほうが多いですが、軟骨無形成症の方の脊柱管狭窄症では手術を行うことが多いです。

軟骨無形成症で脊柱管狭窄症のある方の4割程度が手術を行っていると報告されています。

通常の脊柱管狭窄症、腰椎がほとんどなので腰部脊柱管狭窄症では主に椎弓切除という手術が行われます。

背骨の背中側にある椎弓という部分の骨を削って神経の通り道を広げる手術です。

骨の一部を削るだけの手術なので比較的低侵襲な手術です。

 

一方で軟骨無形成症の方の脊柱管狭窄症では狭窄が限られている場合のみ椎弓切除の手術を行います。

多くの場合は狭窄が広範囲にあるため、多くの椎体(背骨)で椎弓切除すると背骨全体が不安定になってしまいます。

軟骨無形成症の方はもともと腰椎前弯や背骨の不安定性があるため椎弓切除でより不安定性が増してしまう場合があります。

 

そのため椎弓切除+脊椎固定術を追加する場合が多いです。

チタン製のスクリューを椎体(背骨)に挿入してそれぞれの骨を棒状のチタンロッドで締結することで背骨を固定します。

椎弓切除に比べると背骨を広範囲に骨を削ったりスクリューを入れたりするので侵襲は大きくなります

 

普通の方の脊柱管狭窄症は高齢者の病気ですが、軟骨無形成症では10台m20代でも脊柱管狭窄症が見られます。

神経症状が強くなれば手術が必要で、是非軟骨無形成症の方の手術経験のある脊椎外科医に手術をしてもらうようにしましょう。

あまり経験のない先生に椎弓切除だけしてもらって後で追加手術された例などもあるため注意が必要です。



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