コラム

2024年6月9日

骨系統疾患 軟骨無形成症 その13 低身長 骨延長の適応は? 骨延長で成長に悪影響!?


こんにちは!

軟骨無形成症の続きです。

前回に骨延長、特に下肢の適応について書きました。

今回は骨延長の時期や成長への影響について書きます。

昔は骨延長はかなり小さな時期から行っていました。

私の研修した病院では小学校低学年から下腿延長→大腿延長→下腿延長が下肢の延長のルーチンでした。

3回の骨延長で下肢は30cmほど延長できます。

その合間にお子さんによっては上腕の延長もしていました。

1回の延長に1年程度を要します。

創外固定器がついていると動きが悪いので外した後も元の下肢の動きになるのに数か月かかります。

そのため骨延長のインターバルは少なくとも数か月必要です。

成長期の中学生くらいまでに骨延長を複数回するためには小学校の低学年か中学年位から骨延長を開始する必要がありました。

 

しかし近年、骨延長が本来の成長に悪影響をもたらすという話がでてきました。

骨延長する間に創外固定器で縦方向に骨に強い圧力がかかるため、成長軟骨(骨がのびる軟骨)にダメージがあると報告されています。

成長軟骨はお子さんの骨に存在し骨が伸びる部分で軟骨でできています。

ケガでも損傷しやすく、骨延長でも成長軟骨に強い圧がかかるため本来の骨が伸びる機能が低下すると報告されています。

 

成長の旺盛な成長期に骨延長を行うと本来の成長が少し悪くなると言われています。

せっかく骨延長で10cm伸ばしても、元々の成長が悪くなり最終的には10cmの延長効果が低下します。

最近では骨延長はあまり若い時期には行わず成長がやや落ち着いてきた時期に行う方が良いと言われています。

骨延長もしすぎると本来の成長も悪くなるため、下肢で3回延長することも減ってきていると思います。

下腿延長して希望があれば大腿延長するという最大2回の延長が多いと思います。

骨延長している間にあまり動けず日常生活が大変で一度下腿延長して次の大腿延長を希望しない場合も多いです。

延長のタイミングも小学校高学年から成長が緩やかになってきた中学生くらいから開始することが増えています。

特にボソリチドなどの新しい薬で今までよりも成長が期待できるためあまり早い時期での骨延長は避けられるようになるかもしれません。

 

10cm延長しても本来の成長が数cm低下したらもったいないです。

骨延長のタイミングは整形外科だけでなく成長を診てもらっている小児科の先生と共同で決めることが重要だと思います!



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