2024年6月9日
こんにちは!
軟骨無形成症のお子さんの骨延長の適応の続きです。
前回は主に上肢、上腕延長について書きました。
次は下肢です。
下肢の適応は個人的には下記が重要だと思っています。
1.O脚変形のあるお子さん
2.身長への本人の希望
1.O脚(内反膝)変形のあるお子さん
軟骨無形成症のお子さんでは関節弛緩からO脚変形がよく見られます。
もともと関節も緩く、脚自体がO脚だと成人してから軟骨がすり減って変形性関節症になり膝の痛みがでる可能性がより高くなります。
そのため成人する前にO脚変形が強いお子さんは矯正する方が望ましいです。
骨延長ではまっすぐ伸ばすだけでなく、変形を矯正しながら延長もできます。
そのためO脚変形のあるお子さんは骨延長で変形矯正してついでにある程度身長も伸ばすことが多いです。
創外固定器でO脚治す必要があるなら、合わせて骨延長で身長も伸ばそうという感じです。
逆にO脚変形がないお子さんでは骨延長は必須ではないです。
O脚変形がない場合は次の家族や本人の希望が適応になります。
2.身長への本人の希望
私の経験からですが、ある程度の本人の意思が重要です。
本人の身長に対するコンプレックスなども考慮に入れるべきです。
お子さんの時期には主に手術するかどうかは親が決めると思います。
ただ、親だけで骨延長しないと決めたお子さんが大きくなって大学生や成人してから骨延長を希望して行ったことが何度かあります。
骨は成長期の方が形成が旺盛で骨延長も成人よりも成長期の方が新しい骨ができやすく延長が確実にできます。
できるだけ中学生か高校生までには行う方がよく、成人で行った場合には骨の出来が悪くて10cm延長できないことも多いです。
そのため本人の意思確認も重要です。後でやっぱり延長したかったとならないようにすべきだと思います。
以前は骨延長はかなり小さな時期から行っていましたが、最近は中学生になる前後くらいでよく行います。
そのため本人の意思もある程度はっかりしているため、手術するかどうかとお子さんも交えて決定した方が良いと思います。
次に骨延長の時期の変遷などについて書きます。