コラム

2024年6月22日

骨系統疾患 大理石骨病 大理石なのに折れやすい!?


こんにちは!

骨系統疾患の続きです。

今回は大理石骨病です。

骨が大理石の様にカチコチになる病気です。

一見すると大理石の様に硬くなり骨が強くなるように思えますが逆に骨折が多くみられる病気です。

 

大理石骨病は比較的稀な疾患で、10万人に0.6人程度の発生頻度と報告されています。

原因は破骨細胞の異常です。

 

骨は骨芽細胞という骨を作る細胞と破骨細胞という骨を吸収する細胞の働きで成り立っています。

通常は骨も新しい骨を作っては古い骨を吸収して常に新しい骨に置換され良い状態が維持されています。

 

大理石骨病は破骨細胞が上手く機能していない病気です。

破骨細胞に関わる遺伝子異常が原因とされていて一部は遺伝性です。

破骨細胞が働かないと骨を作るだけで骨がどんどん増えて硬くなって一見良いように思えます。

しかし骨は古い分を吸収して新しい骨に置き換えることが重要です。

骨の吸収がなく古い骨ばかりになると骨の量は多いですが、古くて質の悪い骨が多くなります。

そのため逆に骨折が多くなります

重症度は様々で赤ちゃんの時に強い症状がでる重症例では小さな時期に亡くなってしまいます。

重症例は出血や感染、水頭症などの脳神経障害が見られます。

 

成長とともに骨折などで診断される遅延型と言われる軽傷例では生命予後は良好です。

ただし骨折がたびたび見られます。

 

この骨折の治療がかなり難しく整形外科医を悩ます治療の1つです。

次に続きます。

 



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