コラム

2024年6月29日

骨系統疾患 先天性脊椎骨端異形成症


こんにちは!

骨系統疾患の続きです。

今回は先天性脊椎骨端異形成症について書きます。

軟骨無形成症と同じII型コラーゲン(軟骨の成分)の遺伝子異常で起こります。

頻度は軟骨無形成症よりもずっと低く珍しい病気です。

 

症状としては軟骨無形成症と同じ低身長、四肢の骨の変形を認めます。

軟骨無形成症と異なる点は四肢の骨、関節変形がより強いことと、脊椎の変形も強くみられます。

四肢では関節の変形は強く特に股関節は内反股という状態が良くみられます。

通常よりも大腿骨の付け根が内側に大きく曲がっていることが多く骨切りの手術も行われます

 

脊椎はより変形が強いです。

World J Orthop 2023から引用

 

側弯も見られますが、胸椎後弯、腰椎前弯変形が強くみられます。

通常でも軽度脊椎は横から見ればS字状ですが、背骨がより後ろに飛び出て(胸椎後弯)、腰が前に突き出ています(腰椎前弯)。

頸椎の上2つの骨のずれ(環軸椎亜脱臼)も見られて、その場合は手術が必要です。

 

運動機能としては歩行は可能ですが、大人になると股関節や膝の痛み、背骨の痛みで車椅子移動がメインになる方が多い印象です。

以上稀な骨系統疾患の先天性脊椎骨端異形成症についてでした。

 

 

 



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