2024年7月15日
こんにちは!
骨系統疾患の続き、ムコ多糖症について書きます。
ムコ多糖症は、ムコ多糖の分解に必要な酵素が生まれつき不足する病気です。
ライソゾーム病の1つです。
ライソゾームは体内の老廃物を酵素の働きで分解するごみ処理部隊の酵素です。
ライソゾーム病では老廃物の分解が上手くいかないために種々の臓器組織の肥大化と機能障害を起こします。
ムコ多糖症は非常に珍しい病気で日本では約10万人に1人と言われています。
ムコ多糖症は分解できないムコ多糖が全身に蓄積する先天代謝異常症です。
ムコ多糖とは体内に存在する糖質で、全身の臓器で重要な役割をしています。
ムコ多糖は体内の水分を保持する機能や栄養素を細胞に届ける作用があります。
有名なムコ多糖としてはコンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸もムコ多糖に分類されます。
コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸などは加齢とともに減少して体内の水分が減っていき老化現象の1つと言われています。
ムコ多糖症では逆に分解酵素が先天的にない、少ないために体内に蓄積してしまい様々な障害が起こります。
ムコ多糖症は7型に分類されますが、同じ型でも人によって症状が異なります。
一般的にムコ多糖症全般でみられる症状は、発達の遅れ、低身長、四肢・体幹の変形、顔貌異常、関節が硬くなるなどです。
それ以外にも難聴や心臓の異常なども見られます。
多くは生まれてすぐには症状がでずに幼稚園の年齢で徐々に症状が出現し、診断されます。
軽症のお子さんではなかなか診断がつかない場合があります。
お子さんによって重症度がかなり異なり、歩けなくなるお子さんもいます。
ムコ多糖症は足りていない分解酵素により7型に分類されてます。
Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型、Ⅳ型、Ⅵ型、Ⅶ型、Ⅸ型の7型になります(V型、VIII型はありません)。
国内ではIX型は報告されていないため、日本では6型が存在します。
次にそれぞれについて書いていきます。