2022年6月12日
こんにちは!
骨端症の続きで、ケーラー病 (Köhler disease)についてです。
足の土踏まずにある舟状骨という骨が血の巡りが一時的に途絶える病気(無腐性骨壊死)です。
整形外科医のための手術解剖学図説から拝借
ケーラー病は第1ケーラー病と第2ケーラー病に分けられる場合があり第2ケーラー病はフライバーグ病とも言われます。
今回は第1ケーラー病(舟状骨)について書きます。フライバーグ病は次回以降に書きます。
今までのオスグッド・シュラッター病やシーバー病よりも若いお子さんが発症します。
小学校へ行く前の年齢6歳未満のお子さんが多いです。
オスグッド・シュラッター病とは異なり使いすぎでなるというよりは原因不明で骨の血の流れが途絶えます。
以前に書いたペルテス病と同じような病態です。
歩いたりすると足の甲や土踏まずの部分の痛みがでます。
3歳くらいのお子さんも発症するため、痛みを自分では言わずに跛行がある(かばいながら歩く)場合もあります。
診断は比較的簡単でレントゲン検査で上図のように舟状骨という骨が縮んできます。
血の流れが途絶えて一旦壊死という状態になります。1-2年で元の骨の形に戻ってきます。
ただし発症してすぐはレントゲン検査で異常ないように見えることもあるので注意が必要です。
痛みがあるのは1-2年でなく初めの数カ月です。
ペルテス病のように体重をかけないなどの処置は不要ですが、歩くときの痛みが出るため
舟状骨の部分の負担をへらすためにインソールを作ります。
舟状骨は土踏まずの部分なのでインソールで土踏まずの舟状骨部分に体重があまりかからないようにします。
ペルテス病とは異なり通常後遺症などを残さずにきれいに治る病気なので安心してください!