2024年6月15日
こんにちは!
前回までに軟骨無形成症について書きました。
今回は軟骨低形成症について書きます。
軟骨低形成症はざくっと書くと軟骨無形成症より症状が軽いタイプの疾患です。
頻度は軟骨無形成症よりも低く、軟骨無形成症の1/8と言われています。
原因遺伝子もほとんど同じです。
どりらも原因遺伝子はFGFR3(線維芽細胞増殖因子受容体3)という骨・軟骨に関わる遺伝子の異常です。
軟骨無形成症ではG380R点変異(380番目のグリシンがアルギニンに置換される変異)、軟骨低形成症ではN540K変異(540番目のアスパラギンがリシンに置換する変異)が主な異常部位と言われています。
同じ遺伝子でも異常な部分が違う疾患です。
症状は軟骨無形成症と同じ四肢短縮型の低身長ですが、その程度も軽いです。
身長も140cmから150cm近くあるお子さんもいます。
軟骨無形成症でみられる特徴的な顔貌や三尖手は見られません。
赤ちゃんの時に診断されることは少なく、成長とともに低身長で診断されるケースが多いです。
レントゲンでは骨、成長軟骨の形態異常は少なく、O脚変形などもほとんど見られません。
左:軟骨無形成症 右:軟骨低形成症
低身長の治療は成長ホルモンが保険適応です。
新しい薬のボソリチドは保険適応外です。
骨延長はそれぞれのお子さんの身長や希望で行ったり、行わなかったりです。
O脚変形や軟骨の変形がほとんどないため骨延長の適応は本人、家族の身長への希望で決まります。
骨延長も2,3回するというよりも1回だけ延長して身長150cm程度にすることが多いです。
以上軟骨低形成症についてでした。