2022年7月31日
こんにちは!
有痛性外脛骨の続き、治療編です。
治療は手術以外の保存治療、手術治療にわかれます。
保存治療はストレッチ、インソールがあります。
ストレッチは後脛骨筋、アキレス腱のストレッチが大切です。
有痛性外脛骨は後脛骨筋が余分な骨である外脛骨についているため、その部分で炎症が起きています。
多くは後脛骨筋が外脛骨についている部分で炎症が起きています。
超音波するとよくわかります。
そのため後脛骨筋のストレッチが必要です。
後脛骨筋は足首を下・内に曲げる筋肉なので、足首を上・外に向けるとストレッチができます。
加えて有痛性外脛骨のお子さんは扁平足が多いです。さらに単なる扁平足でなく外反扁平足が多いです。
外反扁平足ではアキレス腱が蛇行するためアキレス腱の硬いお子さんが多いです。
そのため有痛性外脛骨のお子さんもアキレス腱のストレッチも必要です。
ストレッチだけで痛みが取れないお子さんはインソールを作成します。
特に外反扁平足が元々あるお子さんはインソールを早い段階で作成します。
インソールで外脛骨の部分に体重が強くかからないようにすることが可能です。
保存治療で痛みが取れないお子さんは手術になります。
手術は外脛骨の大きさなどで
1.ドリリング
2.骨接合
3.骨片摘出
の3つに分かれます。
ドリリングは外脛骨なら先の鋭利な針金で外脛骨周囲を何度もさして外脛骨と舟状骨の間を一旦出血させて
再度治るときにより強固にくっつくことを狙う治療です。
人間には怪我などで内出血すると血小板などの血を止めようとする細胞が寄ってきてさらに周囲の組織を治そうとする因子をだしてくれて怪我が治ります。
それを利用して一旦わざと怪我をして内出血した状態を作って内部で治る力を高める治療です。
骨接合はスクリューなどの金属を使って外脛骨と舟状骨をくっつける手術です。
骨片摘出は外脛骨自体を切除して、さらについている後脛骨筋を元の舟状骨に付け直す手術です。
どの手術が良いかは結論がまだないです。
私はドリリングか骨接合をよくしていました。
いずれも手術時間30分程度で終わります。
有痛性外脛骨は本来は保存治療でもかなり痛みが取れる疾患です。
しかし運動をしていてなかなか安静にできないやストレッチもあまりしないお子さんが多いです。
そのため手術治療も多く行われています。
私個人は本来はかなりのお子さんが保存治療で良くなると思っています。
しっかりとした保存治療ができていないことが多いので注意してください。
有痛性外脛骨は以上です!
次のコラムへ
「発達の遅れ 歩かない 未歩行について 発達障害?」