2023年10月15日
こんにちは!
前回赤ちゃんの親指の第1関節が伸びない、曲がっている病気として強剛母指を書きました。
今回は親指の第2関節が伸びない、曲がっている握り母指について書きます。
日本手外科学会Hpから引用
握り母指は第2関節が伸びないですが、強剛母指と異なり固まっているわけではないです。
自分で第2関節を伸ばすことができなくて、じっとしていても親指が内に入っている状態です。
原因は握り母指とは全くことなり、指の伸筋腱(指を伸ばす腱)が生まれつき低形成(弱い)ために起こります。
通常伸筋腱が欠損していることはなく、弱いだけです。
成長と共に伸筋腱が強くなり親指が伸びるようになってきます。
ただし伸びるまでに1年以上かかる場合も多く、ずっと指がまがった状態でいるために親指の第2関節が拘縮(固まっている)状態になりやすいです。
関節自体が固まったり、親指と人差し指の間の皮膚が短くなって指が開かなくなったりします。
そのため治療としては伸筋腱がしっかりと動くようになるまで指が固まらないように装具を使います。
日本手外科学会HPから引用
親指を伸ばして広げた状態にする装具です。
主に夜間、寝ている間につけて関節が固まったり皮膚が短くなることを予防します。
私はイラストよりもコンパクトな親指だけにつけるシリコン製の装具を愛用してます。
握り母指は通常自然と指が伸びるようになります。
治療としては指が伸びるようにまでに関節が固まらないようにしておくことです。
指が伸びるようになれば、関節が固まっていなければ全く問題なく指を使えます。
指が伸びるようになれば特に機能障害などもないため装具による関節拘縮予防が重要です。
万が一関節が固まってしまうと手術が必要になるため装具をしっかりとつけるようにしましょう。