2024年7月28日
こんにちは!
今回は赤ちゃんの親指の第1関節が曲がって完全に伸びない病気、強剛母指について書きます。
日本整形外科学会HPから引用
生まれたときから曲がっていることが多いですが、赤ちゃんの指は短くて手を広げることも少ないため生後数か月で気付くことが多いです。
親指の第1関節が完全に伸びきらないです。
伸びない程度は個人差があり10度程度の軽いものから30度以上曲がったままで伸びないお子さんんもいます。
曲げる方には問題なく動くため物をつかんだりすることはできます。
大人のばね指と似た症状のためばね指と言われることもありますが、強剛母指とばね指は異なります。
まず大人のばね指は腱の鞘である腱鞘周囲の炎症により腱のすべりが悪くなり指を伸ばすときに引っかかっります。
指が一旦伸びなくなりますが、すぐにばちっとばねのように指が伸びます(ばね現象と言います)。
日本整形外科学会Hpから引用
一方で強剛母指は第1関節が常時完全に伸びない状態です。
原因は炎症ではなく、生まれた時から腱自体が一部膨れていためです。
なぜ膨れているからは不明です。
腱が膨れているため、腱鞘とひっかかって腱が腱鞘を乗り越えられないため指の動きが制限されます。
日本整形外科学会Hpから引用
治療ですが、自然に腱のふくらみが改善して指が伸びるようになることがあるためしばらくは経過観察です。
3-5歳程度で改善がなければ手術になります。
手術は腱鞘を切る手術です。
大人のばね指と同じ手術で、通常10-20分程度で終わります。
小さな手術ですがお子さんの場合は局所麻酔でじっとできないため入院、全身麻酔での手術が必要です。
手術をすると指が伸びるようになり後遺症もなく治癒することがほとんどです。
局所麻酔で手術できるなら気軽にしますが、全身麻酔が必要となるため就学前まで経過観察して治らなければ手術という意見が多いです。
自然になることもありますし、治らなくても小さな手術で機能障害なく治るので心配しないようにしてください!
以上強剛母指でした。