2023年10月15日
こんにちは!
今回は強剛母指という病気について書きます。
赤ちゃんの親指が伸びない病気です。
第1関節が曲がっていて伸びない状態です。
第2関節は正常に動きます。
日本手の外科学会パンフレットから引用
生まれてすぐから症状はありますが、赤ちゃんの指は小さく曲げていること多いためしばらくしてから気付くことが多いです。
原因は生まれながらに指を曲げる屈筋腱の一部が膨れています。
屈筋腱は腱鞘と言われる鞘で押さえられて鞘の下を滑ります。
強剛母指では屈筋腱が腫れているため腱鞘で引っ掛かって通ることができないため指が曲がって伸びない状態になります。
指の第2関節付近に膨れた屈筋腱を触れることも多いです。
治療は通常3歳位までは自然に治る可能性があるため経過観察します。
3歳以降で曲がりが強い時は手術をします。
手術は腱鞘切開という手術です。
膨れた屈筋腱が腱鞘に引っかかっているため腱鞘を切ってしまいます。
腱鞘は腱が浮き上がらないようにしていますが、他にもあるためこの部分の腱鞘だけ切ってしまいます。
大人のばね指という腱鞘炎と同じ手術で通常10分程度で終わる小さな手術ですが
お子さんの場合は局所麻酔でじっとしてもらって手術が難しいため入院して全身麻酔の手術になります。
5歳頃まで経過観察した方が自然治癒が多いという報告もあります。
私は個人的には手術に入院、全身麻酔が必要となるため小学校入学前に症状が続いていた時に手術をお勧めしています。
手術により通常まったく問題なく親指が動くようになります。
自然治癒もあり、治癒しなくても小さな手術で治るため必要以上に心配しないようにしてください!