2024年3月3日
こんにちは!
脳性麻痺の治療 リハビリテーションの続きです。
前回海外ではボバース法、ボイタ法が否定されているのに国内では普及している現状、理由を書きました。
ではその現状は問題ないのでしょうか?
これから書くのは私の個人的な意見です。
・ボイタ法
非常に限られたお子さんにのみ適応があり、基本的に脳性麻痺のリハビリテーションとしては私は推奨しません。
そもそもボイタ法は脳性麻痺の赤ちゃんにリハビリすることで麻痺自体が治るという概念で成り立っています。
現在では麻痺は永続的で麻痺自体が改善することはないと言われています。
脳性麻痺のお子さんが運動機能が改善するのは麻痺が改善しているのではなく、麻痺した状態での体の協調した動かし方や麻痺していない部分がよく動くようになって動けるようになっています。
日本のガイドラインにあるように生まれてすぐの時期に行うと立位や歩行獲得にメリットがある可能性はあります。
ただしガイドラインでも推奨レベルは低く上から3番目です。
赤ちゃん以外の時期では有効性が確認できないとされています。
全体的にボイタ法で有効性を科学的に証明できた報告がほとんどないと言われています。
一方でボイタ法では仰向け、うつぶせの姿勢での訓練のみなので直接的に歩行獲得につながりにくいです。
比較的重度な脳性麻痺のお子さんで寝たきりのお子さんならまだリハビリのメリットはあるかと思いますが、立位をとれるような運動機能があるお子さんではメリットは少ないと思います。
ボイタ法では基本的に立位、歩行訓練はしません。
立位、歩行獲得には向いていないです。
立位が実際とれていないお子さんでもプローンボードや立位台を使って立位姿勢をとったり、歩行器を使って歩行訓練することもボイタ法ではありません。
短下肢装具などの装具治療もほとんど行われず、手術も基本的に行われません。
リハビリだけが治療という方針には私にははなはだ疑問です。
手術はリスクがあるし、してもよくならないと平然と言われているセラピストの先生もいます。
脳性麻痺の方への手術は日本だけでなく海外のデーを見ても、関節の動きだけでなく運動機能にも良い効果が報告されています。
ボイタ法は近年の様々な治療のデータを考慮に入れずに昔からの考え方のみで治療を進める傾向にあります。
もちろんすべての施設がそうであるわけではないですが、ボイタ法は手法が確立していて施設による治療の差が少ないです。
手技の差がないのは基本的には良いことですが、柔軟性がなくずっと治療方法がアップデートされていない印象です。
そのため個人的な意見としてはボイタ法では筋緊張の緩和はできても運動発達にはつながりにくいと思っています。
赤ちゃんの時期や麻痺の程度が非常に強いお子さんには筋緊張緩和などに効果はあるのでボイタ法が有効なお子さんは限られていると思います。
注意:何度も書きますが、私の個人的な意見で特定のもの批判するものではないです。
もう少し続きます。