コラム

2024年2月11日

脳性麻痺について その4 痙直型


こんにちは!

脳性麻痺の続きです。

前回部位による分類と以下の麻痺自体の分類について書きました。

痙直型

アテトーゼ型

低緊張型

失調型

混合型

 

この中で頻度が高いのは痙直型とアテトーゼ型です。

今回は痙直型について書きます

 

痙直型は難しい言葉では錐体路障害による伸張反射の亢進が見られるタイプです。

錐体路とは脳(大脳皮質)から脊髄に流れる運動神経の伝達路です。

伸張反射とは筋肉が引っ張られると反射的に収縮(縮んで力が入る)ことです。

 

痙直型では脳からの電気刺激がスムーズでなく必要以上に筋肉の収縮が起こります

そのため手足の筋肉が滑らかに動かず、筋肉の緊張が硬かったり関節が硬くなったりします

主に関節を曲げる(屈曲)する側の筋肉の緊張が強くなります。

 

上肢なら肘を曲げる筋肉(上腕二頭筋、上腕筋)、手首や指を曲げる筋肉(撓側、尺側手根屈筋、指の屈筋)

下肢なら股関節を曲げる筋肉(腸腰筋、大腿直筋)、膝関節を曲げる筋肉(ハムストリングス)、足首を曲げる筋肉(腓腹筋)

 

そのため関節が曲がる方向に力が必要以上に入るため、曲げ伸ばしの滑らかな動きが妨げられます

成長と共に関節も硬くなってきてより伸びにくくなります

痙直型は最も整形外科の手術の多いタイプになります。

筋肉の緊張が強く、運動が障害されたり関節が硬くなるため筋肉の緊張を落とす治療がよく行われます。

緊張を落とす治療として以下があり、痙直型の方が最も手術治療を受けています。

ボツリヌス療法(ボトックス注射)

整形外科手術 腱延長 筋解離

ITB療法(バクロフェン髄注療法)

SDR(選択的脊髄後根神経遮断術)

 

治療に関しては今後まとめて書きます。

 

ザクっとまとめると痙直型は筋肉の緊張が強くなりすぎて関節の運動が障害されるタイプです。

 

 



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