コラム

2025年10月19日

筋ジストロフィー その6 色々な特徴のある筋強直性ジストロフィー


こんにちは!

筋ジストロフィーの続きです。

 

今回は筋強直性ジストロフィーについて書きます。

以前は筋緊張性筋ジストロフィーとも呼ばれていました。

比較的頻度が高く成人の筋ジストロフィー患者さんでは最多のタイプとなります。

成人例では症状が軽く、生命予後も良好なため成人で多いタイプとなります。

特徴としては全身の筋肉の筋強直や筋委縮を特徴としています。

症状の重症度は様々で軽傷例では成人で気づいていない、診断されていない人もいます。

一方でお子さんでは比較的症状は重度な場合がほとんどです。

常染色体優性遺伝という遺伝形式でお子さんに1/2の確率で遺伝します。

お子さんが重度で筋強直ジストロフィーと診断されて、その後に母親も診断される場合もあります。

お子さんの場合では生まれた時から呼吸機能が弱く、人工呼吸器管理が必要な場合もあります。

 

筋強直性ジストロフィーでは他のタイプよりも多彩な症状が見られます。

以下の症状が見られると報告されています。

・筋強直

・筋委縮、筋力低下

・顔貌

・心臓、呼吸器の機能障害

・白内障

・脱毛(男性)

・知的障害

 

緊張直は筋肉がこわばり、スムーズに動かない。手を握った後ですぐに開けないという症状です。

筋肉の強直が起こる一方で筋力自体は低下します。

筋強直性ジストロフィーでは遠位筋が低下しやすく、体の末端の方が低下すると言われています。

 

顔貌も特徴があり、斧様顔貌(こけた頬、狭い顔幅)と眼瞼下垂(まぶたが垂れる)が見られます。

筋ジストロフィーの中では顔貌に特徴がでる唯一のタイプです。

 

他のタイプで見られる心臓、呼吸器障害だけでなく白内障、脱毛、知的障害など多彩な症状が見られます。

 

整形外科的にはお子さんの場合には生まれた時に内反足が見られる場合があります。

その場合は以前に書いたようにPonsei法によるギプス治療を行います。

足首が硬くなる場合も多く、短下肢装具を使うことが多いです。

 

お子さんの場合は独歩できないお子さんや歩けても不安定や足首が尖足になる場合があります。

リハビリや装具など比較的整形外科受診されることが多いと思います。

 

以上筋強直性ジストロフィーでした。

 

 

 



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