2025年5月25日
こんにちは!
赤ちゃんの鎖骨骨折の続きです。
生まれたての赤ちゃんなので痛みがあってもわかりにくく、元々肩を動かすことも少ないため痛がる様子もありません。
症状としては鎖骨骨折している方の腕を動かす頻度が反対に比べて少ないという程度が多いです。
1か月検診で新生児科の先生に指摘されて初めて気づくことも多いです。
では赤ちゃんの鎖骨骨折は誰かのミスでしょうか?
基本的に産科の先生の手技の問題ではありません。
赤ちゃんが頭から子宮から出る際に、体の構造上肩と鎖骨が出口でひっかかりやすいです。
お母さんの骨盤の多い差も個人差があり、赤ちゃんの大きさも皆異なります。
お母さんの骨盤の広さと赤ちゃんの肩幅の不適合がと赤ちゃんの骨の弱さが基本的な原因です。
出産は皆さんが考えている以上に危険なものです。
お母さんの出血や血圧上下などのリスクもありますし、生まれる赤ちゃんにも非常に高いリスクがあります。
生まれてくる赤ちゃんは今まで臍の緒でお母さんから酸素や栄養をもらってたのが、子宮を出た瞬間から自分で呼吸して酸素供給する必要があります。
頭だけでて肩で引っかかって生まれてこないい状態は赤ちゃんにとってよくない状況です。
胎児心拍や酸素濃度が低下するリスクがあるためお産を進める必要があります。
吸引分娩なども命のために必要です。
鎖骨は骨盤との不適合で骨折が生じますが、基本的に赤ちゃんの命の方が優先です。
私はよく鎖骨骨折疑いと産院から紹介されてびっくりしているご両親に赤ちゃんの鎖骨骨折は命を守るために起こるのは
仕方がないと説明しています。
産科の先生の手技の問題では全くありません。
しかも赤ちゃんの鎖骨骨折はきれいに後遺症なく治癒します。
次回に続きます。
次回は鎖骨骨折の治癒と鎖骨骨折があるときに問題となる分娩麻痺について書きます。
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「生まれたての赤ちゃんの首が腫れている! 鎖骨骨折 ちゃんと治る!?」