2025年9月7日
こんにちは!
今回は比較的に珍しい疾患であるネイルパテラ症候群について書きます。
nail(爪)、patella(膝蓋骨、皿の骨)症候群という名前から爪と膝蓋骨の異常がある病気です。
主にはLMX1Btという遺伝子の異常で起こる遺伝子疾患と報告されています。
多くは突然変異でいきなり発症しますが、優性遺伝のため親からお子さんに1/2の確率で遺伝します。
症状は爪の変形、膝蓋骨の変形、肘の変形、腸骨(骨盤の骨)突起の4つが特徴です。
爪と膝蓋骨の変形はほとんどの方で見られます。
具体的には
・爪は小さく低形成、形が悪いことが多いです
・膝蓋骨も小さく低形成が多い
・肘は関節の形が悪いことが多い
・腸骨はiliac hornという角ような突起があります
J Pediatr Child Health.2021より引用
半数程度には腎機能の障害が合併すると言われています。
腎機能に関しては蛋白尿が見られる軽症がおおいですが、重度の障害の場合もあります。
頻度は5万人に1人程度と報告されていますが、詳細にはわかっていません。
ただし、症状はあっても診断されない方もいるためもう少し患者数が多いかもしれません。
症状について次に書きます。
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「珍しい疾患 ネイルパテラ症候群 爪とお皿の病気 その2」