2025年6月29日
こんにちは!
比較的稀な肘周りの病気の橈尺骨癒合症の続きです。
前回に治療について経過観察と手術があると書きました。
前腕の固定している状態で経過観察か手術になります。
特に前腕が回外で固定している場合は手術が勧められます。
手術は癒合している部分を切除します。
切除するだけでは再度くっついてしまう場合があるため、切除した部分に自身の皮下脂肪を間にいれます。
Operative Surg.2022より引用
橈尺骨癒合症は橈骨と尺骨がくっついているため前腕の動きが悪くなるので癒合を切除すれば動きが良くなります。
ただし骨はけずると骨折が治るように再生しようとします。
再生すると再度くっつく場合があるため、くっつかないように間に自身の皮下脂肪を近くから取ってきてはさみます。
加えて生まれてから癒合しているために橈骨、尺骨が曲がっていることも多いです。
その場合は単純に癒合部を切除しても前腕の動きが良くならないため、曲がった骨をまっすぐにするために骨切りもすることがあります。
Frontiers in Surg.2022より引用
さらに手術としては骨だけでなく筋肉の修正も行います。
生まれてから回内、回外の筋肉を使っていないため骨を正常に戻しても動かす筋肉がない動かないです。
そのため動かす筋肉を移行します。
移行というのは他の筋肉を骨につく場所をかえて回内する筋肉にかえる手術です。
以上のように橈尺骨癒合症の手術は比較的難しい手術です。
患者数も少ないため、手術を行っている病院も少ないです。
手術するかどうかも含めてしっかりと検討することが重要です。