2025年6月29日
こんにちは!
稀な肘周りの病気である橈尺骨癒合症の続きです。
橈尺骨癒合症は生まれつき肘の近くの橈骨と尺骨が生まれつきくっついている病気です。
肘の動き、特に前腕(肘から先)の回内、回外という動きが悪くなります。
診断は単純レントゲンで比較的容易ですが、生まれつきの症状で多くのお子さんが器用に肩の動きで代償するため診断が小学生くらいになることもあります。
治療としては以下になります。
1.経過観察
2・手術
1.経過観察
橈尺骨癒合症では症状がお子さんにより異なります。
前腕の動きの程度が異なります。
前腕がある程度回内(てのひらを下にする動き)できる、回外(てのひらを上にする動き)できるお子さんもいます。
まったく前腕が回内、回外できずにほぼ固定されているお子さんも多いです。
ある程度前腕の動きがあるお子さんは機能的に困らないため手術せずにそのままの場合が多いです。
ただし多くの場合で前腕が回内か回外で固定されています。
その場合でも前腕の回内と回外がほぼ真ん中で固定されている場合は機能的にあまり困りません。
少し回内でも機能的にはあまり困りません。
過度に回内している場合と回外で固定されている場合は日常で困ることが多いです。
というのも日常動作では主に回内、てのひらを下にして作業します。
字を書いたり、キーボード打つ、食事をする、想像してみてください。
日常生活のほとんどで前腕は回内して作業しています。
回外は顔を洗ったりなどでは使いますが回内である方が機能的に良好です。
そのため前腕が真ん中からやや回内で固定されている方は経過観察することも多いです。
前腕が回外で固定されているお子さんは手術することが多いです。
次回手術について書きます。