コラム

2025年6月22日

橈尺骨癒合症 稀な前腕の病気 意外と診断遅れます


こんにちは!

今回は比較的珍しい疾患の橈尺骨癒合症について書きます。

J Orthop case rep.2023から引用

 

橈尺骨癒合症は先天的な病気で、読んで字の如く生まれつき橈骨と尺骨がくっついている病気です。

上の画像がお判りでしょうか?

赤矢印部分がくっついています。

Operative Tech.2022から引用

上のAとBの違いです。

橈骨と尺骨の近位(頭に近い方)がくっついている病気です。

 

症状としては腕の動きが悪いことです。

J Should Elb Surg.2018より引用

 

主な症状は前腕(肘から手首の間)の回内外という動きが悪くなります

回内外とは上図の手のひらを上にする動作が回内、手のひらを下にするのは回外という動きです。

前腕の回内、回外の動きは前腕の骨の橈骨と尺骨の2本が上手くともに動くことで行われます。

 

橈尺骨癒合症では橈骨と尺骨の根元がくっついているため、前腕の動きが悪くなり回内、回外に制限がでます。

制限の度合いはお子さんにより様々です。

非常に程度の軽いお子さんから回内、回外の動きが全くできないお子さんも多くいます。

しかし前腕の回内、回外ができなくても、肩が正常に動くため日常生活動作は大概のことが不自由なくできます

そのため生まれつきの病気ですが、気づかれることが遅めです。

遅いと小学校に入ってから診断されることが多いです。

 

若干肘の曲がりが悪いや、リコーダーがやりにくいなどの症状で気づかれることが多いと思います。

診断は単純レントゲンで容易ですが、疾患自体が稀ですので整形外科医が診ても診断できないことも見受けられます。

 

次に治療について書きます。

 

 



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