2025年4月20日
こんにちは!
最近 児童相談所や警察からよく問い合わせがあります。
当院は0歳の赤ちゃんから幅広くお子さんが受診されます。
特に就学前の小さなお子さんは近所のクリニックではあまり診てもらえないことが多く、遠くからも来られます。
以前に小さなお子さんの骨折の場合には虐待の可能性があることを書きました。
特に自分で正確にしゃべられない0歳から2,3歳までの骨折の場合は虐待を疑って診療することが多いです。
小さな骨折なら普通のケガですが、原因不明で上腕骨や鎖骨、大腿骨を骨折しているお子さんの場合は医者側もかなり虐待を疑って診察しています。
私自身は小さなお子さんの骨折の場合は骨折部位だけでなく上半身全体を見て打撲痕がないか、レントゲンも広めに撮影して他の古い骨折がないかを確認するようにしています。
あとは必ず日時、時間を決めて予約して、親がきちんと受診させに連れてくるかも注意しています。
小さなお子さんの原因不明の骨折では一定数、虐待ではなく起こる場合はあります。
兄弟が知らない間に腕を捻ってしまったなども考えられます。
そのため小さなお子さんの骨折をすべて児童相談所に通報するわけにもいかないです。
そのような考えでなるべく自身で観察して必要な場合だけ児童相談所に相談するようにしています。
ただし最近児童相談所や警察から問い合わせが1か月に数件ありました。
父親の虐待が疑われている赤ちゃんや実際に父親が手を挙げたことで骨折したお子さんなどについて問い合わせがありました
ニュースで見る虐待で死亡するお子さんを出さないために必要なら通報する必要があります。
警察からの問い合わせがあったお子さんでは当院は2件目で救急車で搬送されて大きな病院の救急外来を受診していました。
その後に当院受診されたのですが、私は紹介状にも父親が手をあげたと書いてあり、救急搬送で救急隊も状況を聞いているはずなので警察か児童相談所に通報はあるものと思っていました。
しかし、このお子さんでは通報がなく当院に問い合わせがありました。
なんでもかんでも通報は良くないですが、明らかな例では通報は必要です。
この症例でなぜ救急隊や1件目の病院で通報していないか不明です。
闇雲な通報はダメですが、必要時は積極的な通報は必要です。
医療従事者にもこのような基本的な考えができていない人がいるようです。
お子さんの骨折で受傷されて、医療機関から児童相談所に通報されて虐待ではないと怒られるご両親もおられます。
私たち医療従事者は虐待を見逃さないために虐待でない場合も通報することがあるとはご理解いただければ幸いです。
ただし医療従事者も放置している例も今回あったため、もう少し思慮深い対応が必要だと思います!