コラム

2026年5月27日

最近 赤ちゃんの股関節脱臼の受診が多いです 治療その2 持続牽引 入院要ります

こんにちは!

赤ちゃんの股関節脱臼の続きです。

前回リーメンビューゲル装具について書きました。

どうしても日本では股関節の検診が3,4か月になるため完全脱臼(下図のType IV)ではリーメンビューゲル装具が使われる機会が減っています。

その理由が脱臼している股関節急に整復すると大腿骨頭に強い負荷がかかって大腿骨頭壊死が起こりやすいからです。

 

生後3,4か月以降で股関節脱臼が見つかる日本では完全脱臼ではリーメンビューゲル装具よりも持続牽引治療が多く行われています

持続牽引治療は入院して脚におもりを付けた紐を巻いて持続的に牽引する治療です。

股関節脱臼では脱臼することで脚が頭側に短縮しています。

そのまま脱臼を整復すると脚が引き伸ばさるため関節の圧があがります

関節圧の上昇により大腿骨頭壊死が起こると言われています。

そのため牽引治療ではまずは脚をまっすぐ引っ張って筋肉などの軟部組織を柔らかくします。

通常2-3週間は引っ張り続けます。

基本入院してお風呂以外はずっとひっぱります。

地域や病院により牽引方法は若干異なり上図のようなオーバーヘッド牽引と水平牽引があります。

 

関西では多くの施設が水平牽引です。

脚の長さがそろった時点で開排(M字)の方向に牽引の向きを変えて1週間かけてゆっくりと脱臼を整復します。

牽引治療は開排位持続牽引と呼ばれています。

その後ギプス固定を1か月ほど行って脱臼整復状態を維持します。

ギプスの巻き方が非常に重要なため全身麻酔をかけてギプス固定する病院が多いと思います。

 

このように持続牽引は入院が必要で時間がかかりますが、リスクの少ない治療です。

リーメンビューゲル装具では通常数%から2,30%の大腿骨頭壊死の発生リスクが報告されています。

持続牽引は日本の方法では1%以下と非常に安全な治療です。

 

完全脱臼で生後3,4か月以降に診断されて脚の短縮のあるお子さんなら持続牽引治療が良いと思います。

亜脱臼、早期発見や脚の短縮がないお子さんならリーメンビューゲル装具が良いと思います。

 

コラム一覧へ