コラム

2026年5月24日

最近 赤ちゃんの股関節脱臼の受診が多いです 早期診断では装具治療も有効!その1 リーメンビューゲル装具

こんにちは!

赤ちゃんの股関節脱臼の続きです。

前回に日本では生後3、4か月以降での診断、治療が主流になっています。

海外では生後1,2か月での治療が主体になっています。

今回は治療についてもう少し詳しく書きます。

 

まずはリーメンビューゲル装具(puvlik harness)です。

赤ちゃんの股関節の基本姿勢はM字開脚です。

股関節はM字に開く(開排という姿勢)と良い位置になって、まっすぐに伸ばすと外れやすい姿勢になります。

リーメンビューゲル装具は股関節を固定する装具ではなく、脚をまっすぐに伸ばせなくしてM字の姿勢をとるようにさせる装具です。

 

写真のような紐でできたシンプルな装具です。

紐で脚をまっすぐにできなくしているだけで脚がうごかないわけではないです。

M字姿勢は赤ちゃんにとって最も良い姿勢で寝ているときもM字姿勢です。

日本小児整形外科学会から引用

 

そのためリーメンビューゲル装具をつけてM字の姿勢になっても特に赤ちゃんに負担がかかる装具ではないです。

装具をつけて2,3日程度は機嫌が悪くなりますが、その後はまったくいつも通り上機嫌で暮らせます。

 

リーメンビューゲル装具でほとどの時間M字の姿勢をとるようになると股関節の開きが硬かったお子さんがすぐに柔らかくなります。

さらに亜脱臼している股関節はより良い位置になり、脱臼している股関節も全員ではないですが比較的すぐに脱臼が整復されます。

ただし脱臼の場合は比較的早期に整復されるため、大腿骨頭に負荷が急にかかってしまって前回書いたように大腿骨頭壊死のリスクが比較的あります

日本では以前よりリーメンビューゲル装具は生後3か月以降が安全とされていました。

その後脱臼の場合にリーメンビューゲル装具を使うと大腿骨頭壊死のリスクが高いため現在では脱臼では牽引治療の方がよく選択されています。

日本ではリーメンビューゲル装具は完全脱臼では使う機会が減って亜脱臼(下図のTypeIII)で使われていることが多いと思います。

 

最近では海外では生後4か月以降ではなく1,2か月で検査して脱臼の場合は早期にリーメンビューゲル装具をつけることで合併症もすくないと報告されています。

なかなか現在の日本の検診システムで股関節脱臼を生後1,2か月で診断することは難しいですが、早期発見ならリーメンビューゲル装具は全然ありだと思います。

 

どうにかして早期発見できるシステムができないものでしょうか?

 

次は牽引治療について書きます。

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