コラム

2026年5月17日

最近 赤ちゃんの股関節脱臼の受診が多いです 日本で何故早期診断できないのか?

こんにちは!

赤ちゃんの股関節脱臼の続きです。

前回に海外では赤ちゃんの股関節脱臼は早期診断、早期治療が行われていると書きました。

股関節脱臼の治療としてはリーメンビューゲル装具、入院しての牽引治療がありますが、海外では生後1,2か月でのリーメンビューゲル装具治療が行われています。

一方で日本ではリーメンビューゲル装具は生後3か月以降と以前よりの慣例でありました。

完全脱臼のお子さんに生後3,4か月以降でリーメンビューゲル装具で整復すると大腿骨頭壊死の発生リスクがあるため近年では日本では完全脱臼はほぼ牽引治療が行われています。

 

ではなぜ日本で生後3か月未満の治療が一般的でないのでしょうか?

それは日本の股関節脱臼の発見のためのスクリーニングに仕方だと思います。

 

日本では赤ちゃんが生まれると一般的に下記のチェックがあります。

・生まれてすぐ

・生後1か月

・生後3,4か月

生まれてすぐ、生後1か月は通常出産した病院で新生児科(小児科の赤ちゃん専門)の先生が行います。

生後3,4か月は地域の保健センターでの検診で、こちらも主に小児科の先生が行います。

それ以外には地域の助産師、保健師さんの訪問や相談があります。

 

整形外科医チェックが難しいのが現状です。

それは小児を専門としている整形外科医が少なく生まれるお子さんすべてチェックできないためです。

股関節脱臼の診断は超音波で比較的容易ですが小児科の先生には難しく、整形外科も小児を専門にしていないと経験がないためできないと思います。

海外では生まれた赤ちゃんほとんどを整形外科が超音波でチェックしている国もあります。

以前にも書いたように体の診察だけで脱臼しているか判定は難しいので超音波が確実です。

日本でこのように赤ちゃんの全例チェックできている病院はごく稀です。

地域によっては3,4か月健診で整形外科が担当して超音波している地域もありますが、赤ちゃんの多い都心部などでは難しいのが現状です。

 

生後1か月健診やお母さんの相談で股関節が少し硬いかなと思ってもすぐに整形外科に紹介されない理由は以下の2点だと思います。

・紹介できる病院が少なく、大きな病院で紹介ためらう

・日本では治療が生後3か月以降なので生後3か月未満は診断を急がなくて良いと思っている人が多い

股関節脱臼を治療する小児整形外科学会医のいる病院は大学病院、小児医療センターなど大病院がほとんどです。

そのためちょっと股関節硬いかな程度のお子さんで大病院に紹介を躊躇されがちです。

私のようなクリニックで赤ちゃんの股関節をちゃんと診察しているのは非常に稀で気軽に紹介できる医療機関が少ないです。

 

さらに以前より日本では装具治療も生後3か月以降とされているため生後3か月まで様子見で良いと思われている傾向もあります。

 

先ほども書いたように現在では股関節脱臼は生後3か月未満でも診断、治療が重要になってきています。

次に治療について詳しく書きます。

 

 

 

コラム一覧へ