コラム

2026年3月1日

小児希少疾患の治療新薬が近年増えています。 その3 年に数千万円の薬が続々と

こんにちは!

希少疾患の治療薬の続きです。

前回薬の開発は大変で企業も研究、開発に見合う薬価がつかないと販売しないと書きました。

 

世間的にはオプジーボという癌の薬が高額だったことが有名ですが近年小児希少疾患の治療薬が数多く発売されています。

多くは高額な薬で年に数千万円の薬や1回で数億の薬もあります。

私たち小児整形外科医では以前にはそのような薬は経験なかったのですが、私の記憶ではストレンジックという薬がスタートだったように思います。

ストレンジックは低ホスファターゼ症という非常に患者数の少ない疾患の薬です。

遺伝子の病気で正常な骨を作れない病気で全身の骨の変形が生じて重症例では命にかかわります。

患者も国内に100-200人程度と言われていて非常に稀な病気です。

2015年に異常のある骨を作る部分を正常にする注射薬が開発、販売されました。

数に数回の注射が必要で年に数千万円かかります。

基本的に継続した薬の使用が必要で患者1名に億単位の費用がかかります。

 

2017年に脊髄筋委縮症の治療薬スピランザ(脊髄に注射する薬)が発売されました。

https://seikei-yoshida.com/news/?colum=%e8%84%8a%e9%ab%84%e7%ad%8b%e5%a7%94%e7%b8%ae%e7%97%87%e3%80%80%e3%81%9d%e3%81%ae%ef%bc%93%e3%80%80%e5%a0%b1%e9%81%93%e3%81%95%e3%82%8c%e3%81%9f%e4%bd%95%e5%8d%83%e4%b8%87%e3%80%81%e5%84%84%e5%8d%98

スピランザは初年度に5000万円、その後も数千万円の費用が必要です。

 

一般的に希少疾患の治療薬開発は対象患者が少なく企業も以前は興味がなかったように思います。

大学や研究機関でのみ研究されていたのが中心でした。

近年はこのような希少疾患の治療薬に開発費に見合う高額な薬価がつくようになったため企業も希少疾患の創薬に乗り出してくれています。

今年には筋ジストロフィーの治療薬として3億越えの薬が販売開始されました。

 

高額な薬をほぼ税金で賄うことに否定的な意見もあります。

一方で薬を使うことで生命予後の改善も見られる非常に重要な薬です。

なくても問題ないような風邪薬や、風邪に抗生剤などの無駄な薬代よりはよっぽど有益です。

乳液の代わりに顔の保湿剤として使われる薬が保険適応で税金で投入されている現状よりはましだと思います。

最近も高額な薬が販売されたという報道がされていますが、いままで見向きもされず治療薬がなかった希少疾患に治療薬が開発、販売される世の中になったことは個人的に非常に良い時代になったと思います。

 

 

 

 

 

 

 

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