2022年2月20日
こんにちは!
最近お子さんの怪我で受診される方が増えています。
「こけてから歩かない、歩き方がおかしい」、「打撲して腫れている」などの受診が多いです。
特に6歳未満の就学前のお子さんは怪我をして近医を一旦受診してレントゲン撮影して異常なしと言われて
様子見ても治らないため少し遠方から受診されることも多いです。
小さなお子さんの骨折の診断は難しいです!!
その理由は以下です。
1.小さなお子さんは痛みの場所を明確に伝えられない
打撲した場所を見ていたり、その場所が腫れていれば簡単にわかります。
小さなお子さんの怪我はこけてたり打ったりして受傷したけどこけた時を見ていないことも多いです。
小さなお子さんは感覚が未熟で痛みの場所を正確に伝えることが難しいです。
膝が痛いと言っても股関節が悪かったり、足が痛いと言ってもスネが骨折してたりします。
2.お子さんの骨折は通称「ヒビ」が多い
子供の骨は大人に比べると柔らかくてたわみます。
イメージは大人の骨はガラスで硬いけど折れるときはパキッと割れます。
子供の骨は外力に抵抗してたわむのでポキッと折れずにヒビが多いです。
ちなみにヒビも医学的には骨折で子供のヒビは若木骨折(若い柔らかい木が一部折れる)と言われています。
日本整形外科学会HPから拝借
若木骨折は骨折が貫通せずに片側だけヒビがはいる骨折で子供さんに非常に多い骨折です。
ヒビが多いので患部が腫れないこともあります。
2本の骨が並んでいる前腕(肘から先)、下腿(膝から先のスネ)の1本のヒビでは腕を動かしたり、歩けたりもします。
指の骨もヒビが多く、指を使っていても骨折していることもあります。
3.子供さんのレントゲンは色々難しい
特に小さなお子さんのレントゲン撮影自体もじっとできないので慣れていないと難しいです。
他の病院、クリニックで撮影されたレントゲン持ってこられますがきれいに撮影できていないことも多いです。
さらに小さなお子さんの骨は軟骨成分が多いレントゲンに写らない部分が多いです。
上のイラストの骨端骨折も成長軟骨という骨が伸びる部分の軟骨周囲の骨折でレントゲンで写りにくいです。
お子さんの骨折の診断は難しいです。
歩けているから大丈夫、指・腕を動かしているから大丈夫、ほとんど腫れてないから大丈夫は危険です。
少し様子見ておかしければ受診するようにしてください。
先日2週間前に腕を打撲して骨が出ているからと受診されたお子さんもいました。
怪我をして少し痛がっていたけど腕を使っているので様子見られていました。
前腕の1本がだけが骨折していて曲がって治りかけていました。時間があまり経過すると治療が難しくなります。
次回はお子さんの怪我の診察、具体例での難しい骨折の紹介します!