2025年8月3日
こんにちは!
多指症の続きです。
前回の母指は求められる機能が高く、母指多指症では複数回の手術を要する場合があると書きました。
Wassel分類のIV型が最も多く、IV型以降では指の機能に関わるため単なる切除ではうまくいかないことが多いです。
母指多指症では対立などの動きに重要な筋肉が多指(切除する指)についていることが多いです。
そのため単なる切除では指を動かす筋肉が働かないため、母指多指症では初回手術から場合により多指を切除した際に
筋肉を残す指に付け替えたりします。
ただし手術は1歳前後に行われ、赤ちゃんの指は非常に小さいです。
筋肉の付け替えが上手くいかなかったりすることもあります。
さらにもともと指を動かす筋肉が弱い場合もあります。
もともと1本の指だった部分が2本に枝分かれて筋肉も枝分かれて1本あたりが弱くなるイメージです。
通常多指症では1回の切除の手術で終わりますが、母指多指症では数年後に指の動きをよくする手術が行われる場合があります。
よく行われる手術としては、腱移行という手術です。
母指の動きが悪い時に、筋肉を補強するために指の他の腱を移し替える手術です。
薬指の2本あるうちの1本の腱や小指の筋肉(小指外転筋)などを母指につけかえて母指を動かす筋肉に変える手術です。
母指多指症では追加の手術が必要な場合もありますが、腱移行などで日常で問題ない指になります。
多指症は手術が必要ですが、通常問題なく経過しますのでご安心ください!