2024年12月22日
こんにちは!
先天性腓骨列欠損症の続きです。
前回に腓骨列欠損症では脛骨の外反変形(X脚)、短くなる、足首が外反(うちくるぶしが倒れる)すると書きました。
今回は治療について書きます。
まずは足首の外反が問題になります。
この論文の写真はある程度大きなお子さんですが、生まれてすぐに足首が高度に外反して固まっているとそのままではうまく歩けないです。
そのため赤ちゃんの時期に足首が外反しているお子さんは早期に治療開始します。
治療はギプスや装具での改善が難しく基本的に手術になります。
早ければ1,2歳頃には足首の手術が行われます。
足首の周りの組織を切ってまっすぐにする手術が以前はよく行われていましたが、最近では骨切りを行う手術が増えています。
図のように足首の変形を矯正しながら脛骨の変形も骨切りで矯正する手術があります。
ただし一旦まっすぐになった変形も成長とともに腓骨が伸びないために変形が再発することが多いです。
基本的に1回の手術で終わることは少なく、成長に合わせて複数回の手術が通常必要です。
脛骨が短いことに対しては骨延長もよく行われます。
多い人で手術回数は5回以上にはなります。
ある程度手術回数は必要ですが、基本的に腓骨列欠損症のお子さんでは歩行は可能で走ったりも可能です。
走るのはやや遅いことが多いですが、日常生活では問題ない程度の運動機能はあります。
次に書く脛骨列欠損に比べて運動機能は比較的高めの疾患です。
以上先天性腓骨列欠損症でした。