2024年12月22日
こんにちは!
稀な疾患の先天性腓骨列欠損症の続きです。
前回腓骨列欠損症は腓骨の欠損の度合いにより下腿の変形や足首の変形が起こると書きました。
J Orthop Surg Res.2023より引用。
この論文では無治療である程度大きくなってからの変形です。
ある程度腓骨の欠損が大きいと赤ちゃんが生まれた状態でも似たような変形が生じます。
変形としては主に2つあります。
1.脛骨が曲がる 短い
2.足首が外反する
1.脛骨が曲がる 短い
通常下腿(スネ)は外側の腓骨と内側の脛骨という2本の骨がほぼ同じ長さでまっすぐに並んでいます。
脛骨列欠損症では腓骨が短いや完全欠損しているため外側のバランスが崩れて脛骨が曲がります。
腓骨がわずかに短い軽症ではあまり脛骨は曲がりませんが、ある程度腓骨が短い場合や腓骨が完全に欠損している場合は脛骨が大きく外反(X脚の方向)に変形します。
さらに完全欠損のお子さんでは脛骨が大きく曲がるだけでなく通常よりも短くなり、反対の脚の比べて非常に短くなります。
2.足首が外反する
ある程度腓骨が短いと下腿の外側の支えがないため脛骨の外反と足首自体も外反(うちくるぶしの方向に倒れる)します。
重度なお子さんでは生まれた瞬間から足首が外反して固まっています。
足首の変形で生後すぐに診断されることも多いです。
次は治療について書きます。