コラム

2024年12月21日

先天性腓骨列欠損症 すごく稀な疾患です


こんにちは!

今回は非常に稀な疾患 形成不全シリーズについて書きます。

形成不全とは読んで字の如く作るのが上手くいっていない状態、赤ちゃんが体内で手足が形成されるときに異常があり十分な形になっていない状態を言います。

 

まずは先天性腓骨列欠損症について書きます。

体内で腓骨というスネの外側の細い骨が上手く作られず腓骨が一部または全部欠損している病気です。

非常に稀で4,5万~13万人に1人の発生頻度と言われています。

原因は明確には不明で、赤ちゃんがお腹の中で育つときに手足が徐々に伸びていきます。

その際に膝下は腓骨列と脛骨列という2列にわかれて腓骨列という膝下の外側の骨や筋肉などの形成が悪くなっている状態です。

かつてはこのような分類がされていました。

Iaは腓骨が少しだけ短い

Ibは腓骨がかなり短い

IIは腓骨がない

このようにお子さんによって軽度の形成不全から完全欠損まで様々です。

腓骨の形成不全が強くなるほど脛骨(太い方の骨)の変形が強くなります。

J Child Orthop.2019より引用

アメリカの有名な整形外科医のPaley先生が考案した分類が最近はよく使われます。

腓骨の形成不全の度合いもありますが、脛骨や足首の変形の度合いで分類しています。

 

このように腓骨列欠損では腓骨の欠損に伴う下腿の変形や足首の変形が問題になります。

非常に軽度であればわかりにくいですが、中等症異常は生まれたらすぐに足首の変形で診断されます。

最近では胎内の内に超音波で腓骨が短いや脛骨が曲がっているなどで診断されることもあります。

 

 

次に症状と治療について書きます。

 



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