コラム

2025年1月12日

先天性脛骨列欠損症 その4 治療 患肢温存手術 腓骨の脛骨化!?


こんにちは!

先天性脛骨列欠損症の続きです。

前回患肢温存の手術について書きました。

1.軽症で脛骨が短く曲がっている場合

2.脛骨の欠損が高度の場合

 

1.については前回書きました。

運動機能の膝周囲の脛骨の形がしっかりしていれば良好であると書きました。

今回は

2.脛骨の欠損が高度の場合

脛骨の欠損が高度の場合は脛骨の骨延長で再建するには限界があります。

骨延長には骨を伸ばせる量に限りがあり長くても10cmまでです。

欠損が高度な場合は2通りの手術があります。

 

膝周囲の脛骨の骨がしっかりとしている場合は下記のような手術が行われます。

Orthop Trauma.2009より引用

脛骨がなくなる部分から腓骨とドッキングします。

途中から脛骨と腓骨を1つにつながて腓骨を脛骨化する手術です。

通常腓骨は脛骨よりも細くて体重に耐えられない太さですが、脛骨化して体重をかけていくと徐々に太くなっていきます。

 

さらに脛骨の欠損が重度な場合は下記のような手術になります。

ぎりぎり膝回りの骨はあり、膝蓋骨もある場合に行われます。

腓骨全体を脛骨とドッキングして脛骨化する手術です。

ただしこのような欠損が高度で膝周囲の脛骨がしっかりとしていないと膝の構造に問題があることが多いです。

膝がぐらぐらしたり、膝回りの筋力が弱いことが多く、運動機能はやや悪くなります。

歩いたりはできますが、十分に走ることが難しいことが多いです。

膝を十分に屈伸して歩くというより膝をロックして棒のようにして歩くことが多いです。

 

以上先天性脛骨列欠損症の治療でした。

運動機能は主に膝周囲の脛骨の形がしっかりとしているかで大きく変わります。

非常に稀な疾患ですが、治療は可能な疾患です!

 



コラム一覧へ