コラム

2025年1月12日

先天性脛骨列欠損症 その3 治療 患肢温存手術


こんにちは!

非常に稀な疾患の先天性脛骨列欠損症の続きです。

前回脛骨が完全に欠損していて膝蓋骨(皿の骨)がないお子さんでは切断術も行われると書きました。

今回は患肢温存の手術について書きます。

基本的に膝蓋骨があれば、大腿四頭筋という太ももの前の筋肉があるため歩行に最低限必要な機能があり患肢温存の手術の対象になります。

 

患肢温存の手術は大きく2つに分かれます。

 

1.軽症で脛骨が短く曲がっている場合

2.脛骨の欠損が高度の場合

 

1.軽症で脛骨が短く曲がっている場合

曲がっている脛骨の骨をまっすぐにしながら創外固定器を使って骨延長を行います。

J Child Orthop. 2016から引用

 

軽症から中等症のある程度の脛骨の長さがある場合は膝関節の周りの脛骨の形も正常で膝関節の機能は良好です。

スネの下の方で骨がまがって足首も内反(うちに向いている)していて短くて歩きにくいです。

そのため、脛骨の内反を矯正しながら骨延長を行います。

同時に足首の内反も手術をして足首がまっすぐになるようにします。

 

この場合は膝の機能が良好なため走ったりは問題なくできます。

膝周囲の脛骨の形がしっかりとしていれば膝の機能、運動機能は良好になります。

 

足首は動きは正常よりは悪くなります。

 

2.脛骨の欠損が高度の場合については次回書きます。

 

 



コラム一覧へ