2025年1月8日
こんにちは!
非常に稀な疾患の先天性脛骨列欠損症の続きです。
脛骨が短く曲がっている軽症から脛骨自体がない重度まで存在します。
非常に珍しい病気のため絶対的な治療法はなく様々な意見、治療法が存在します。
治療法は患肢温存の手術と下肢切断の手術の2つに大きく分かれます。
脛骨がどれくらい残っているかでどちらの手術かが決まります。
昔に比べて切断術よりも患肢温存手術が多くなっていますが、切断術も現在も行われています。
切断術が選ばれる1つの基準は膝蓋骨(お皿の骨)の骨があるかどうかです。
脛骨が完全にないお子さんでは膝蓋骨も存在しないことが多いです。
膝蓋骨には大腿四頭筋という太ももの前の重要な筋肉がついていて、膝蓋骨がないと大腿四頭筋も存在しません。
大腿四頭筋がないと膝関節として機能せずに膝の曲げ伸ばしができず、立った時に体を支えることができないです。
そのため膝蓋骨がないお子さんでは無理に患肢温存しても膝の曲がらない棒のような膝を作ることになるため切断術が選択されることが多いです。
切断術では膝の離断術(切断術)を行い義足で歩きます。
義足は技術の進化で良くなっていて義足なら走ったりもできます。
一方で膝蓋骨がない状態で患肢温存する場合は膝が棒のようになるので走ったりは難しいことが多いです。
しかも膝が曲がらないと椅子に座ったり、床上の生活が非常に不便です。
ご両親のなるべく患肢温存したいという思いはわかりますが私個人的には膝蓋骨がないお子さんでは1歳過ぎで切断術をお勧めしています。
運動機能が切断術+義足の方が圧倒的に勝ります。
稀に両脚とも膝蓋骨がないお子さんがいますが、そのお子さんも義足でしっかりと歩くことが可能です。
次に患肢温存の手術に関して説明します。