2025年7月6日
こんにちは!
今回も珍しい病気の先天性絞扼輪症候群について書きます。
先天性絞扼輪症候群は赤ちゃんが生まれた時に腕や脚にひもでくくったようなくびれができる病気です。
J Pediatr Surg Case Rep. 2021より引用
手足をしばるようのひもは赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいるときに羊膜という組織です。
羊膜は通常胎内にいるときに赤ちゃんをやさしく包む組織ですが、あやまって手足をきつく縛ってしまうために起こります。
頻度は赤ちゃん15,000人に1人と言われています。
部位としては手足の肘から先、膝から先、指によく起こります。
重症度の程度も様々です。
軽い例では皮膚のしわが通常より深いという程度ですが、程度が強いとかなり深いくぼみができます。
最も重度なお子さんでは胎内で羊膜により手足が切断されます。
The Pediatric Upper Extremityから引用
生まれてから事故などで手足が切断されるとの区別するために、胎内でおこるため先天性切断と言われています。
指の一部が欠損したり、手首から先が欠損している場合もあります。
程度も様々で指の第1関節から欠損、指が1本全体欠損、複数の指が欠損など様々です。
欠損はしていないけど、ある程度絞扼が強いお子さんでは手足が縛られるため血流がわるくなり非常にむくんだりもします。
場合によっては血流がどんどん悪くなって手足が壊死する場合もあり治療が必要です。
次に治療について書きます。
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「先天性絞扼輪症候群 くびれの病気 その2 治療」