2025年4月5日
こんにちは!
今回も非常に稀な疾患について書きます。
橈側列形成不全について書きます。
橈側列の形成不全で赤ちゃんがお腹の中で手足を形成する際に橈側の列の骨や筋肉の形成が上手くいかない場合に起こります。
非常に稀な疾患で3万人に1人程度の発生率と言われています。
肘から先の前腕は橈骨、尺骨という骨でできていて橈骨がある親指側を橈側、尺骨のある小指側を尺側列と定義します。
橈側の列なので肘から先の橈骨や親指が影響を受けます。
欠損の程度は様々で以下の分類があります。
軽症のtype Iは橈骨が短いだけですが、最も重症のtype IVでは橈骨と親指が完全に欠損します。
J Hand Surg 2024より引用
図のAがtype I、BがII、CがIII、DがIV。
基本的に橈骨が短くなるので手首が親指側に曲がっていきます。
そのため「内反手」とも呼ばれます(手首が親指側に曲がることを内反と言います)。
曲がるだけでなく手首の部分の骨が欠損するため手首が不安定でぐらぐらとしています。
手首が安定しないと力が入りにくく、手の機能が障害されます。
そのため基本的には何らかの治療が必要です。
type Iの軽症では装具で手首を安定させることは可能ですが、ほとんどのお子さんで手術を必要とします。
Pediar Hand Surg.2020より引用
次に治療について書きます。